
いよいよ今週末開催を迎える「集楽座」の会場マップを公開!今回、会場の建築・演出を手がけるのは、空間演出(フェスティバルアーキテクト)の遠藤治郎氏。公園の中に立ち上がる赤い屋根のテント群、ふたつの舞台、それらをつなぐ花道。そして、外から中をチラッと覗きたくなる曖昧な境界線。
「完成された会場をつくるというより、そこからいろんなものが浸食していくような場所にしたい」。そんな遠藤氏のレコメンドとともに、2日間だけ現れる「集楽座」の空間をひと足先に覗いてみましょう!
Recommendation|遠藤治郎
つくった「境界」を少しずつ溶かしていく

今回の会場では、代々木公園の中に赤い屋根のテント群を立ち上げ、まず意図的に「内と外」をつくります。でも、「ここから先が集楽座です」と閉じたいわけではありません。イメージしているのは、最初に置いた座の縁(えん)にコケが生えて、根っこが伸びていくような状態。集楽座から公園へ、公園から集楽座へ。少しずつ周囲へ浸食して、どこまでが内側で、どこからが外側なのか分からなくなっていく。
だから、建築そのものも主張しすぎない。そこへ演者や出店者、来場者が入り込み、まるでウイルスや寄生虫のように繁殖して、空間を勝手に“遺伝子組み換え”していく。最初に設計した通りではない風景が、当日どんどん生まれていく。そんな状態が理想です。
のれんの向こうを、ちょっと覗きたくなる?

集楽座は、外から中が全部見える場所でも、壁で完全に閉じられた場所でもありません。テントが折り重なり、入口も少し屈曲していて、歩いていると奥の風景がチラッと見える。僕らが「チラリズム」と呼んでいる感覚です。
イメージとして近いのは、昔の家にあったのれんや縁側。内と外を分断する壁ではなく、なんとなく向こう側の気配が伝わってくる境界です。代々木公園を歩いていた人が、「あれ、何かやってるな」と気づく。音が聞こえる。人影が見える。それで、ちょっと覗いてみたくなる。「ここからは別世界」と切り替わるのではなく、いつの間にか集楽座へ入り込んでいた。そのくらいの曖昧さが面白いと思っています。
「花道」がつなぐふたつの舞台!

会場には、野外ステージを使った「大舞台」と、特設パビリオンの「表舞台」という、性格の異なるふたつの舞台があります。大舞台では音楽をしっかりと体感する。一方の表舞台は、阿波おどりやチンドン、サンバ、盆踊りなどが目と鼻の先で繰り広げられる、もっと路上的で「お茶の間」に近い場所です。
そして、表舞台の裏幕が跳ね上がると、その先に大舞台へ一直線につながる一本の「花道」が現れる設計になっています。表と裏がひっくり返り、ふたつの舞台がつながる。それまで別々だった場所が、ある瞬間にひとつの大きな空間へ変わる仕掛けです。
最後に、この場所をつくるのは「座衆」のみなさん!

集楽座の風景を最後につくるのは、僕らではなく、そこへ来る人たちだと思っています。集楽座では、来場するみなさんを単なる「観客」ではなく、同じ座を囲む「座衆」と呼んでいます。会場には、自分の名前を書いた和紙を掲げる「高札場」も用意します。名前がひとつ、またひとつと増えていけば、それ自体が集楽座の風景になっていく。
演者がいて、店があって、建築があって、そこへ人がやってくる。そうして最初に置いた座の縁(えん)からコケが生え、根っこが伸びるように、集楽座が代々木公園へ広がっていく。僕らが用意できるのは、そのための“発射台”まで。
10月24日(土)・25日(日)、そこからどんな「集楽」が立ち上がるのか。ぜひ、その中を覗きに来てください!